ベーシックインカムについて


 ベーシックインカムとは何か?
 ベーシックインカムとは、政府が国民の生活を保障するために年齢・性別等に関係なく、一律で一定額の現金を給付する政策のことです。社会保障は、給付に関して一定の条件がありますが、ベーシックインカムはそのような条件はありません。
この政策は、現在ヨーロッパにおいては実施に向けた国民投票が行われたり、試行が行われたりしています。
上野義昭氏の「ベーシックインカムと社会主義」という論考が発表されています。彼の主張するベーシックインカムとは、①本人の収入によらず②個人単位に③一定額の現金を国が給付するものです。
 「ベーシックインカム」はその額や規模によって「部分的ベーシックインカム」から「完全なベーシックインカム」まで考えられます。
もちろん日本での導入を考える時にはまず部分的ベーシックインカムになります。
 例えば1人あたり5万円の給付を考えてみましょう。すると、4人家族ならば月20万円の給付になります。このような政策が現実的に可能なのか、特にその財源問題について考えてみることにしましょう。
 月5万円は年額60万円となります。日本の人口を一億二千万人とすると、年給付総額は72兆円となります。この72兆円を用意することができなければこのような政策は意味を持ちません。
 日本の1年間の国民全体の給与所得総額は300兆円前後であるといわれています。したがって、給与全体に30%程度の税率を想定すればベーシックインカムという政策を実現することが可能となります。
 30%という税率は大きいと感じますが、実際どうでしょうか。日本の世帯年収の中央値が約420万円あたりですので、年収400万円の人を例に考えてみましょう。400万円の30%ですので120万円の税が取られます。その一方で、一人60万円がベーシックインカムとして給付されます。したがって、夫婦2人の家庭であれば税率と給付が同額となり、子どもがいれば給付が税額を超えることになります。憲法25条の生存権を具体的に保障する政策となりえます。単身者にとっては厳しい要素もありますが、2人以上の世帯で年収400万以下であれば、ベーシックインカム導入は生活の保障につながってくると考えられます。
 また、ベーシックインカムがあることにより、雇用者と労働者の力関係に変化が生ずることが期待されます。ブラック企業に無理して勤務しなくてはならない状況も改善されるのではないでしょうか。

 日本社会では現在格差が拡大していることが問題となっています。この格差社会の改善の為には、①現物支給②累進課税③資産課税などの政策が提案されています。ベーシックインカムは、現物支給とともに有効な手法となると思います。
また、ベーシックインカムの導入によって勤労意欲の低下が懸念されるという批判を言われることがあります。しかし、月5万円程度の部分的ベーシックインカムにそれほどの効果はないでしょうし、サービス残業の評価はともかくサービス残業がこれだけ広く横行している日本で勤労意欲の低下が問題になるほど生じるとは考えにくいと思います。

 ベーシックインカムの利点は、本人がマイナスイメージを感じることなく生活保障を受けられることにあります。ベーシックインカムの導入については、幅広い市民や労働者の理解を得ることが重要です。


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