「国民負担率」を考える

「国民負担率」が47.5%という。5割に近づいてきている。そのような内容が東洋経済の記事に書かれている。その中では、江戸時代の「五公五民」が話題として出てきている。江戸時代の五公五民の年貢の場合、農民の生産物は基本的にすべて一旦自分の物となり、その上で半分を年貢として納めている。

現代日本において賃金労働者には、生産物のすべてが一度資本家・企業に納められてからその一部分を賃金と言う形で支払われている。生産物のうちどれだけが賃金として支払われているのか、労働分配率はおよそ50%程度である。そして支払われた賃金の半分近くが税金等として国に納められている。そうすると、生産物のうち働く者の手に残るのは3割弱なのではないか。労働分配率の低さと「国民」負担率の高さを批判する必要がある。

大企業を中心に蓄えられている内部留保を社会的に有効に活用することを考えるべきである。財務省の法人企業統計によれば、2021年度の企業の内部留保は前年度比6.6%増の516兆4,750億円となったという。内部留保への課税も検討すべきである。

内部留保への課税は二重課税という批判がある。しかし我々働く者は、低い労働分配率の上に所得税を取られ、その残ったお金で商品を買えば消費税を払い、酒やガソリンの購入には更にその上に税金がかかってくる。我々の生活は既に二重課税・三重課税の下で行われている。

社会の生産力が上がれば、働く者の生活は改善されるべきものである。しかし、実際には賃金は停滞し、物価は上がってきている。社会の生産力が有効に使われていないことは明らかである。今こそ、大企業中心に存在する内部留保を社会が取り戻し、有効に活用すべきである。
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