共謀罪批判

私は「共謀罪」(テロ等準備罪)に反対しています。
反対する理由は三点あります。
一点目はこの法律が刑法の原則に反し、刑法の体系を壊すものだからです。
刑法では既遂を処罰することが原則です。重大な犯罪の場合には、例外的に未遂でも罰せられます。特に重大な犯罪の場合には、犯罪の準備段階で罰せられます。
しかし、今回の「共謀罪」は準備のさらに前の段階で罰する事になります。
「計画(共謀)」、「準備」、「犯罪の着手」、「犯罪の完成」の一連の流れの中で、犯罪の成立時期を大幅に前に持ってくるものです。
従来、予備や準備で罪に問われるのは70余りでした。今回政府は277の犯罪に「共謀罪」を導入しようとしています。これまで準備しても罪に問われなかった200余りの行為が計画(共謀)の段階で罪に問われることになります。これだけ大きな変更をする理由がありません。
二点目は計画(共謀)の段階で処罰することには合理性がありません。
なぜ1人で計画しても罪に問われないのに2人以上で計画すると罪に問われるのか合理的に説明できません。犯罪の準備など、具体的な行為を罰する事で十分です。思想・意思は外に現れなければわかりません。思想・意思を処罰することは困難です。
三点目は、「共謀罪」の捜査は私たちの生活に大きな影響を与えるからです。
思想・意思は、自分の外側に行為の準備などとして現れなければ把握は困難です。
思想・意思が外に現れる前に「共謀罪」として処罰するためには、「共謀」の事実を盗聴(通信傍受)で把握しなくてはなりません。しかし、盗聴するためには共謀が行われる前から対象を決めていなくてはできません。
したがって、捜査機関が共謀罪の可能性があると思った団体や個人に対して、幅広く盗聴をすることになります。「共謀罪」を犯していない事を確認するためにも盗聴は必要になってしまいます。
結局、広範に盗聴(通信傍受)が行われることになり、日本の社会が盗聴と監視の社会となることが懸念されます。

「共謀罪」の導入にこれだけの懸念があるだけでなく、「共謀罪」は日本社会にとって導入が必要なものとはとても思えません。
安倍総理も言ったように、日本は「世界有数の安全な都市」です。アメリカなどと比較しても安全な社会であり、テロの実施は難しい社会になっています。
例えば、日本はアメリカと異なり銃器の所持も厳しく制限されています。諸外国と同様な対応が必要とは思えません。
また、国際組織犯罪条約締結国の中にも、共謀罪なしに条約締結した国もあります。日本の実状にふさわしい対応が求められています。
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